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NIHON PREMIUM CLINIC | ニホンプレミアムクリニック

小児の発熱

2020/06/06豆知識小児科


<小児の発熱~こんな時どうしたらいい?~>

発熱は小児科の外来で最も多く遭遇する症状のひとつです。夜中にお子さんが急に高熱を出し、ご心配された経験はみなさんあることと思います。また発熱に関する情報はインターネットなどでもあふれていて、混乱してしまうことも多いようです。今日は、これまでにお母様方から受けたご質問に対する回答を中心に、発熱時の対応について説明したいと思います。 

 

熱が出るのは悪いこと?

発熱には熱射病や頭部外傷などの原因もありますが、小児の場合大半が感染症(かぜなど)による発熱です。これはウィルスや細菌の活動性を弱めたり、自身の抵抗力を高めたりするためのいわゆる“生体防御反応”です。

高熱により、脳に後遺症を残すのではないか?これは最もご両親が心配される問題ですが、脳のたんぱく質に影響を与える体温は42度以上といわれています。インフルエンザや肺炎などではここまでの体温になることはありません。従って、熱自体が脳に後遺症を残すことはまずありません。

 

どんな時に病院に行ったらいい?

 熱の高さ=病気の重症度ではありません。突発性発疹のように40度以上の熱でもお子さんの機嫌が良いものもあれば、37度台の髄膜炎もめずらしくありません。発熱以外の症状が参考になります。一般的に以下のような症状を認める場合には早めの受診をおすすめします。

1)ぐったりして元気がない、または非常に機嫌が悪い。

2)嘔吐が頻回で、水分が摂れない。

3)苦しそうな呼吸(呼吸の回数が早い、顔色が悪い、ヒューヒューしているなど)。

4)生後4ヶ月未満の38.5度以上の発熱。

5)5分以上持続する痙攣発作がある場合。

6)強い頭痛や腹痛がある場合。

 

熱が出たときは温める?冷やす?

 ・熱の上昇期には手足が冷たく、震えたり、顔色が悪くなったりします。この時期は“寒気”を感じていることが多いので温めてあげて構いません。

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 ・熱が上がりきると、次第に顔色は赤みを帯び、手足も温かくなります。本人もこの時期には、“あつい”と感じていることが多いので、アイスノンなどで体を冷やしてあげてください。ただし中には、アイスノンや氷枕を嫌がるお子さんもいます。その場合には無理に冷やす必要はありません。衣服や掛け物を薄くしてあげましょう。

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 ・解熱期には発汗を伴います。衣服を交換し、水分をなるべく摂らせるようにしましょう。

 

解熱剤は使った方がいい?

 原則として解熱剤で熱を下げる必要はありません。前述のように、熱自体が悪いものではないからです。解熱剤は一時的な効果は認められますが、持続時間は2~3時間程度で、かぜそのものを治してくれるお薬ではありません。

 ただし高熱のために機嫌が悪く水分を上手に摂れないような場合には、本人の負担の軽減の目的で解熱剤を使用しても構いません。0.5度熱が下がるだけでもお子さんの機嫌は随分変化します。

 小児科ではアセトアミノフェン(パラセタモール)が一般的に使用されます。アスピリンやボルタレンなどの他の種類の解熱剤は、ライ症候群という脳症を起こす可能性があるため使用されません。

 

熱性けいれんと解熱剤

 原則として熱性けいれんの既往がある方は解熱剤の安易な使用は控えましょう。けいれんは、高熱に伴って起きるというより、熱の急激な変化に伴って起きることが多いといわれています。従って解熱剤使用後に、一旦下がった熱が再び上がるときにむしろ起こしやすいのです。つまり、解熱剤の使用は熱性けいれんの予防にならないことに加え、けいれんを起こしやすくする可能性があります。

 熱性けいれんは発熱第1日目から2日目に起こることがほとんどです。けいれんして初めて発熱に気づく場合も少なくありません。高熱が何日も続き、睡眠や水分摂取が十分確保できない場合には、むしろ解熱剤の使用がすすめられることもあります。医師にご相談下さい。